CNNニュース「大絶滅」

●「大絶滅」とは
  「大絶滅」はペルム紀末大量絶滅のことで、史上最大の大量絶滅で、生命の9割が死滅したとされる。ニュースは、「大絶滅」で生命の9割が死滅、その後500万年にわたって猛暑 新たな化石がその理由を解明として、「大絶滅」の関わる研究を紹介する。
その研究の結論は「大絶滅で二酸化炭素を貯留する植物が死滅したので、大気中の二酸化炭素が増えて、500万年にわたって猛暑が続いた。現在も、地球温暖化で熱帯林が絶滅すると、急激な温暖化で生命の回復が困難になる」である。しかし、この研究は「大絶滅」の定説に便乗しただけの研究でニュースにする価値はないし、むしろ間違いを拡散する。
1.そもそも「大絶滅」の定説は正しくない
@シベリア洪水玄武岩では巨大不整合はできない
  「大絶滅」の原因の定説はシベアリ洪水玄武岩である。200万年以上続いた火山活動で二酸化炭素等が放出され、温暖化・海洋酸性化が起こって大量絶滅したとされる。
  しかし、「大絶滅」が起こったペルム紀末は古生代−中生代の区切りで、古生層と中生層の境界には地球の歴史でN0.2の巨大不整合がある。ちなみに、NO.1は先カンブリア時代−形成代の境界不整合で、NO.3は中生代−新生代の境界不整合である。そして、火山活動では巨大不整合はできない。だから、シベリア洪水玄武岩原因説は間違いである。 
A生命の90%は死滅していない
  「大絶滅」では生命の90%、種の96%が絶滅したとされる。しかし、軟体動物門、節足動物門、脊椎動物門など、30以上あるすべての動物門は生き残った。つまり、定説が正しいとすると、生き残った4%の種にすべての動物門が均等に(?)含まれていたことになる。これはありえないだろう。
B「大絶滅」は内海の海で起こった
  古生代の海は広い海洋と大陸内の内海に分けられる。海洋は全層好気的海水だったが、内海は下層が硫化水素を含む嫌気性海水で、表層だけが好気性海水だった。ペルム紀末(古生代末)に大地殻変動が起こると、内海下層の嫌気性海水が上昇してきて「青潮」が起こり、内海の好気性生物が死滅した。青潮に含まれる硫化水素は密度が大きいので、地表付近に滞留した。古生代の大陸はシダ植物が繁栄する低地が多かったので、地表付近に滞留した硫化水素で死滅した。
  一方、海洋の生物と高地とに住む生物はほとんど生き残った。だから、すべての動物門は絶滅しなかった。「大絶滅」は内海と大陸の低地に住む生物を絶滅させただけだった。「大絶滅」を示す地層は大陸の内海で形成された地層なので、90%の生命が死滅したように見えのである。
2. 植物は死滅していない
論文は「二酸化炭素を貯留する植物が死滅した」とするが、コケ植物、シダ植物、裸子植物、被子植物はすべて生き残った。「大絶滅」後の温暖化は、ペルム紀末の大地殻変動が三畳紀初頭も続いて、内海底に堆積していた生物遺骸が分解されて二酸化炭素が放出されたと考える方がいい。

3. 温暖化で熱帯雨林は絶滅しないし、大絶滅も起こらない
  論文は「現在も、地球温暖化で熱帯林が絶滅すると、急激な温暖化で生命の回復が困難になる」とする。しかし、現在の二酸化炭素濃度は0.04%である。地球大気の二酸化炭素濃度は1億年で2%減少してきた。だから、ペルム紀末の二酸化炭素濃度は現在の100倍の
3〜5%だったと考えられる。そして、現在まで、すべての生物は進化を続けてきた。現在の温暖化で熱帯雨林は絶滅しないし、生命が危機になることもない。
  そもそも、論文は「大絶滅」後の猛暑の研究である。現在の温暖化に触れる必要はないのである。便乗論文といわれても仕方がないし、ニュースにするCNNも駄目である。