トカラ諸島群発地震と新燃岳噴火

●新燃岳 5,000 mの噴煙と十島村で震度6の地震
 3日午後4時13分ごろ、鹿児島県の十島村で最大震度6弱の地震を観測した。そして、噴火の続く霧島連山・新燃岳(1421メートル)の噴火で5000メートルの噴煙が上がった。
1. 震度6地震の原因
 震度6の地震の原因は、上部地殻の花こう岩の大きな破壊である。トカラ列島の地殻下部に貫入する玄武岩マグマの量が増えて、貫入圧や岩石の膨張圧で上部にある花こう岩が大きく破壊されて、
震度6の地震が起こった。
2. 新燃岳噴火の原因
 火山噴火はマグマが上昇して起こる。新燃岳は安山岩マグマの火山だが、より深くには玄武岩マグマがある。マントルから上昇してきた玄武岩マグマが上部地殻の花こう岩や安山岩を融かし込んで安山岩マグマができて、上昇して噴火する。
3. トカラ諸島群発地震と新燃岳噴火の関係
  気象庁は、「トカラ諸島群発地震と新燃岳噴火、さらに南海トラフ地震は関係ない」という。また、鹿児島大学 井村隆介准教授は「トカラの地震と新燃岳の噴火はたまたま時期が一致しただけ、じゃあその間にある桜島、口永良部島、硫黄島は噴火していない、直接結びつけるのは強引で間違いだろう」という。しかし、間違いだというなら、トカラ列島群発地震と新燃岳噴火の原因を説明すべきだろう。

  地震と火山噴火は同じ原因で起こる。原因は、マントルから上昇してきた玄武岩マグマの大陸地殻下部への貫入である。玄武岩マグマの貫入圧で上部地殻の花こう岩が破壊されると地震が起こる。玄武岩マグマが上昇して火山の地下でマグマが増えると噴火が起こる。
 大陸地殻下部に玄武岩マグマが貫入すると、マグマが貫入した地域が隆起し、マグマが固まると大陸地殻が発達する。地震と火山は、
その地域で大陸地殻が発達している印である。地震と火山は大陸地殻の発達=現在、日本列島で進行中の造山運動・造陸運動の一現象である。
  玄武岩マグマが広い地域に貫入すると、広い地域で地震や噴火が起こる。狭い地域に貫入すると、狭い地域で地震や噴火が起こる。現在は九州−台湾の大陸地殻下部に玄武岩マグマが貫入している。そのため、九州−台湾の各地で地震や噴火が頻発している。
 井村准教授は「その間にある桜島、口永良部島、硫黄島は噴火していない」という。当たり前だ。玄武岩マグマは面ではなく、線(帯)で貫入しているからだ。
  南海地震は、玄武岩マグマが四国−紀伊半島の大陸地殻下部全体に面で貫入して起こる。だから、線で貫入している今回のトカラ諸島群発地震や新燃岳噴火
とは直接は関係しない。