カムチャツカ半島巨大地震
7/30 カムチャツカ半島で巨大地震があった。USGS=アメリカの地質調査所による、日本時間の30日午前8時25分ごろ、ロシア極東のカムチャツカ半島沖を震源とする地震があり、震源の深さは18.2キロ、地震の規模を示すマグニチュードは8.7と推定されている。
●東北地方太平洋沖地震と同じ
震源位置はカムチャツカ半島南部の太平洋沖の大陸斜面で、東北地方太平洋沖地震(3.11地震)と似ている。震源の深さ18.2 kmだから 3.11地震と同じで、大陸地殻の花こう岩が広範囲に破壊されて起こった。もちろん「大陸プレートと海洋プレートの摩擦が限界を超えて大陸プレートが跳ね上がった 」などではない。
●環太平洋変動帯と大陸地殻の発達
太平洋を取り巻く海岸地域は「環太平洋変動帯」で地震と火山が多発する。変動帯では大陸地殻が発達している。「発達する」を言い換えると、「厚くなる」「形成される」である。
マントルから上昇してきた玄武岩マグマがマントルと大陸地殻の境目に流入していて、玄武岩マグマが固まると大陸地殻が形成され、厚くなり、発達する。
ちなみにカムチャツカ半島と日本列島の大陸地殻の厚さは 20〜30 kmで似ている。
「continental-crustal-thickness」で画像検索すると、
USGSが作った世界の大陸地殻の等深線図が見つかる。
●地震と火山の原因は同じ
玄武岩マグマは大陸内部から供給される。大陸下部のマントルから上昇してきた玄武岩マグマが大陸地殻の底に流入すると、流入部分で体積が増える。玄武岩マグマの流入圧と流入地域の岩石の膨張圧で上部の花こう岩が破壊されて地震が起きる。破壊された花こう岩に隙間ができると、玄武岩マグマが上昇して火山噴火が起きる。だから、地震と火山の原因は同じである。
●火山岩の種類
玄武岩マグマがそのまま地表に達すると、玄武岩溶岩が流れ出る。玄武岩マグマが地下で花こう岩マグマを溶かして混ざると安山岩マグマができる。玄武岩と花こう岩の混ざる割合で様々な火山岩ができる。花こう岩が溶けて混ざり度合いが少ないと花こう岩マグマが流れ出る。
玄武岩マグマは粘性が低いので穏やかな噴火になり、花こう岩マグマは粘性が高いので激しい噴火になる。
●トカラ諸島地震との関連
トカラ諸島もカムチャツカ半島も環太平洋変動帯の一部だから関連はある。地震の原因は同じだ。ただし、玄武岩マグマの供給源は、トカラ諸島は中国大陸で、カムチャツカ半島はシベリア大陸だから、連動はしない。
同様に、北海道、東日本、西日本、九州−トカラ−沖縄−台湾は供給源が違うから、連動はしない。それぞれの玄武岩マグマの供給量を調べる必要がある。
●日本列島の大陸地殻の等深線図を見たい
世界の大陸地殻の等深線図は、日本列島を一括りにしている。しかし、北海道、東日本、西日本、九州−トカラ−沖縄−台湾は地形的に分かれている。そこに意味があると思う。というわけで、日本列島の大陸地殻の詳細な等深線図を見てみたい。ご存じの方がいたら教えてほしい。
|