十島村連続地震と活断層

●十島村で8分間に震度4を3回観測
 2日午前9時過ぎ、トカラ列島近海で連続して地震があり、鹿児島県十島村で9時6分頃から9時14分頃にかけて計3回、震度4を観測した
1. 地震の原因
 連続地震の震源の深さは約10 km である。震源断層は高角の断層が予想される。
 トカラ列島の地殻下部に玄武岩マグマが貫入していて、貫入圧や岩石の膨張圧で、上部にある花こう岩が破壊されて地震が起こる。地殻下部に玄武岩マグマが貫入すると、下部地殻の体積が増えてトカラ列島は隆起する。
2. 連続地震と活断層
1) 「群発地震は活断層がずれて起こる」と言われるが、間違いである。断層には「断層粘土」がある。粘土は弱い力でずれるので、粘土がずれても地震は起こらない。
2) 活断層は1本ではない。多くの断層からなる「活断層帯」である。活断層帯は陸と海の境、平野と山地の境など、地形が変化する地域に分布する。地形が変化する地域は玄武岩マグマの貫入による圧力がかかりやすい場所である。
3) 活断層帯での連続地震は次のように説明できる。
@ 1トンの水槽を20本の柱で支えているとする。20本の柱をさらに下から持ち上げる時、1本の柱により多くの力がかかると、その柱が破壊される。
A すると、1トンの水槽を19本の柱で支えることになる。柱の持ち上げが続くと、最初に壊れた柱の周囲に力がかかりやすくなり、2本目の柱が壊れる。
B 1トンの水槽を18本の柱で支えることになる。柱の持ち上げが続くと、さらに3本目の柱が壊れる。
C 柱の持ち上げが止まると、1トンの水槽を17本の柱で支える状態で柱の破壊は止まる。結果として、水槽の位置は周囲より高くなる。

4) 日本列島を作る大陸地殻はマントルの上にある。大陸地殻を支える柱は上部地殻の花こう岩が担っている。
花こうは、地下5〜30 kmに分布していて、厚さは均一でない。
  マントル内を上昇してきた玄武岩マグマがマントルと大陸地殻の間に貫入すると、大陸地殻が持ち上げられる。するとる花こう岩の柱が壊れて地震が起きる。花こう岩は厚さが均一ではないので、
上昇圧はその地域で最も太い柱、すなわち花こう岩の厚さが厚い部分にかかる。そして、その厚い花こう岩が壊れると、大きな地震が起きる。上昇圧が続くと、周囲の花こう岩が壊れる。2回目に壊れる花こう岩は1回目の花こう岩より薄いので、1回目の花こう岩より壊れやすい。だから、一般に、2回目に起こる地震は最初の地震より小さくなる。熊本地震では、震度7の地震が続けて起こった。同じ厚さの花こう岩が続けて壊れたと考えられる。
D地震は常に新しい柱の破壊で起こる。一度壊れた柱は新たな地震でずれることはあっても、新たな震源にはならない。活断層は新たな地震で動いても、新たな震源にはならない。だから、活断層が動いて群発地震が起きるという説明は間違いである。